
亡くなった人の物は処分した方がいいのか、そんな迷いで遺品整理が進まず困っていませんか?
「故人の大切にしていた品を捨てるなんて申し訳ない」という罪悪感と、「早く片付けなければ」という焦りの間で心が揺れ動くのは当然のことです。
実は、適切なタイミングでの遺品処分は故人への最高の供養となり、遺族の心の整理にもつながります。



この記事では、グリーフケアの専門的観点から処分の必要性を解説し、家族を説得するための客観的根拠、罪悪感を和らげる具体的な方法、そして効率的な遺品整理の手順まで詳しくご紹介します。
故人への敬意を保ちながら、前向きに新しい生活をスタートするための道筋が見えてくるでしょう。
亡くなった人の物を処分すべき理由


この章では、亡くなった人の物を処分することが、遺族と故人の両方にとって最善の選択である理由について紹介します。
処分すべき理由には主に以下の内容があります。
- 心の整理と前向きな生活への第一歩
- 相続トラブルの防止と財産状況の正確な把握
- 防犯・防災リスクの回避と安全確保
- 家族間の負担軽減と良好な関係維持
理由(1)心の整理と前向きな生活のため



遺品整理は故人への未練や執着心を緩和し、グリーフケア(悲嘆ケア)の一環として心の整理を促進する重要な作業です。
遺品整理は故人の供養であると考え、思い切って整理することで、目の前の現実を受け止め、自分たちの生活を再出発させることができるようになります。
近年のグリーフケア研究では、悲しみの感情や行動を否定せず、受け入れることが大切だと考えられており、遺品整理がその有効な手段の一つとされています。
遺品整理業者によっては、グリーフケアを考慮しつつ、遺族と一緒に遺品整理をするプランが用意されており、遺品整理士は資格習得の際にグリーフケアも学ぶため、遺族の心に寄り添ったサポートが可能です。
故人も遺族の継続的な悲しみを望んでいません。
適切な時期に遺品整理を行うことで、故人への感謝の気持ちを保ちながら、心の整理をつけて前向きな新生活をスタートできます。
理由(2)相続トラブルの防止と財産把握
遺品整理を行わないと相続財産の全容が把握できず、家庭裁判所での遺産分割事件が増加している現状において、深刻な家族間トラブルの原因となります。
令和元年度に認容・調停が成立した遺産分割事件のうち、遺産総額が5,000万円以下であるものが全体の4分の3以上を占めており、決して富裕層だけの問題ではありません。
家庭裁判所に申し立てられた相続に関する事件は増加中で、相続放棄に関する申述は年間1万件ベースで増加しています。



近年問題視されているデジタル遺品では、端末ロックに阻まれて中のデータに一切アクセスできず、遺品整理や財産調査が進まなくなるトラブルが頻発しています。
故人がインターネットなどで株式やFXなどの取引をしていた場合、遺品整理を先延ばしにしている間に資産が負債に変わってしまうリスクもあります。
相続放棄の期限は亡くなったことを知った日から3か月以内と法定されているため、早期の遺品整理により相続財産を正確に把握し、適切な相続手続きを行うことが重要です。
理由(3)防犯・防災リスクの回避
遺品が残されたまま放置された空き家は、適切な管理が行われずに劣化し、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を与える社会問題となります。
2024年4月に公開された最新調査によると、全国の空き家総数は約900万戸となり過去最多を記録し、前回調査より51万戸増加しました。



放置された空き家は倒壊したり、屋根や壁が落下したりする危険性があるだけでなく、雑草が生い茂り、野生生物が棲みついて、衛生面や景観を悪化させます。
空き家は人目が少なく、犯罪者にとって隠れ場所や犯罪の拠点になりやすく、不法侵入や放火のリスクも高まります。
また、空き家が多い地域では地価が下がり、地域全体の活気が失われる原因となります。
特定空き家に指定されると、固定資産税が本来支払うべき金額の6倍まで膨れ上がることもあります。
2024年4月から相続登記が義務化されたことからも分かるように、国を挙げて空き家問題解決に取り組んでいる現状において、早期の遺品整理は社会的責任でもあります。
理由(4)家族間の負担軽減と関係維持
遺品整理は相続人全員で協力して行うべき作業であり、一人で抱え込むことで精神的・肉体的負担が増大し、家族関係の悪化を招くリスクがあります。
勝手に遺品を整理してしまったがゆえに家族間でトラブルに発展する事例は少なくなく、生前に親族と一緒に形見分けをしなかった場合、自分の判断で処分してしまうことで罪悪感を感じることがあります。
遺品整理を一人で抱え込むことで、精神的な負担が増し、深い悲しい感情に押しつぶされることもあるため、家族や友人と相談しながら進めることが重要です。
親族が集まる四十九日法要後は供養のひと区切りとして、気持ちも少し落ち着いてくるこの時期に遺品整理をはじめる方は多く、思い出を振り返りながら遺品の形見分けを行えば気持ちも整理しやすくなります。



相続人全員の合意を委任状などの形で受け取っておくことで、後から「金目のものを着服したに違いない」とあらぬ疑いをかけられるトラブルを避けることができます。
家族会議を開催し、相続人全員で遺品整理の方針を決定することで、故人への敬意を保ちながら家族の絆を深め、円満な相続手続きを進めることができます。
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遺品処分への罪悪感を解消する方法


この章では、遺品を処分する際に感じる罪悪感を和らげ、心理的負担を軽減する具体的な方法について紹介します。
罪悪感解消の方法には主に以下の内容があります。
- 故人が望む遺族の幸せという視点の転換
- 供養やお焚き上げで敬意を示す処分方法
- 形見分けで思い出を大切に残す選別法
- 写真やデータ化で記憶を保存する現代的手法
方法(1)故人が望む遺族の幸せという視点
故人が最も望んでいるのは遺族の幸せと前向きな生活であり、遺品に縛られて苦しむことではありません。
グリーフケアの専門家によると、「故人も遺族の負担を望まない」という考え方は心の整理において重要な視点とされています。
遺品整理は故人の供養であると考え、思い切って整理することで現実を受け止め、新しい生活を再出発させることができます。



実際に多くの遺族が「故人も私たちの負担を望んでいない」という考えに転換することで、罪悪感から解放され、心穏やかに遺品整理を完了させています。
「手放すことも愛情」という考え方を受け入れることで、罪悪感を和らげながら遺品整理を進めることができます。
方法(2)供養やお焚き上げで敬意を示す
遺品を単純に廃棄するのではなく、お焚き上げや合同供養などの方法で故人への敬意を示しながら処分することで、心理的な負担を大幅に軽減できます。
お焚き上げは故人が愛用していた品々を丁寧に供養してから天に送る日本古来の方法で、遺族の気持ちに寄り添った処分方法として広く受け入れられています。
現在では多くの遺品整理業者が供養サービスを提供しており、人形やぬいぐるみなど安易にゴミとして処分しづらい物も、適切な供養を行うことで後ろめたい気持ちを感じることなく整理できます。
故人が大切にしていた収集品や愛用していた楽器なども、専門的な供養を経ることで遺族は安心感を得られ、故人への敬意を保ちながら整理を進められます。
方法(3)形見分けで思い出を大切に残す
すべての遺品を処分する必要はなく、故人との大切な思い出が詰まった品物を親族間で形見分けすることで、故人との絆を保ちながら整理を進められます。
形見分けは故人が愛用していた装飾品や趣味の品など、故人が思い出され、残された人の拠りどころとなる物品を選別して保管する方法です。
親族が集まる四十九日法要後などの機会を利用して形見分けを行う家庭が多く、故人の写真を見ながら思い出話をしつつ、それぞれが大切にしたい品物を選ぶことで、悲しみを分かち合いながら心の整理を進めることができます。
置き場所を取らない写真や手紙、アクセサリーなどの小物類は特に形見として残しやすく、故人を身近に感じられる品物として大切に保管されています。
方法(4)写真やデータ化で記憶を保存
物理的な遺品をすべて保管することは現実的ではないため、写真撮影やデジタル化により思い出を効率的に保存する現代的な方法が有効です。
大量の遺品をすべて保管することは住居スペースや管理の面で現実的ではありませんが、デジタル技術を活用することで思い出を効率的に保存できます。
何十年分もの大量の日記帳や写真、故人の作品や収集品などは、写真撮影やスキャンによってデジタル化することで、コンパクトに保管しながら思い出を永続的に残すことが可能です。
現在では写真店やインターネットのサービスを利用して、USBやDVDなどにまとめてもらうサービスも充実しており、遺族の負担を軽減しながら大切な記憶を保存するサポートを受けることができます。
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遺品整理の適切なタイミング


この章では、遺品整理を始める最適なタイミングについて、宗教的配慮や法的期限、心理的側面を踏まえて紹介します。
適切なタイミングには主に以下の内容があります。
- 四十九日前後の宗教的配慮と供養のひと区切り
- 相続手続きとの兼ね合いと法的期限への対応
- 家族の心の準備が整う時期とグリーフケアの観点
タイミング(1)四十九日前後の宗教的配慮
四十九日法要後は忌明けとして供養のひと区切りであり、気持ちも落ち着いてくる時期として遺品整理を始める最も一般的で適切なタイミングです。
四十九日は仏教において故人の霊が成仏する重要な節目とされており、遺族にとっても喪の期間の一つの区切りとして位置づけられています。
この時期は親族が集まる絶好の機会でもあり、相続人全員で遺品整理の方針を話し合うことができます。



実際に多くの遺族が四十九日法要後に遺品整理を開始しており、この時期に親族が集まって思い出を振り返りながら形見分けを行うことで、悲しみを分かち合いながら心の整理を進めています。
持ち家の場合は急ぐ必要がないため、一周忌後に開始するケースも多く見られます。
タイミング(2)相続手続きとの兼ね合い
相続放棄の期限(死亡を知った日から3か月以内)や相続税申告期限(10か月以内)などの法的制約を考慮し、これらの手続きに支障をきたさないよう計画的に遺品整理を進める必要があります。
2024年4月から相続登記が義務化されたことにより、相続手続きの重要性がより高まっています。
遺品整理を行うことで相続財産の全容を把握できるため、適切な相続手続きや相続税の計算に必要不可欠です。
賃貸住宅に住んでいた故人の場合、退去手続きを行わなければ家賃が継続して発生するため、契約上の退去期限に合わせて遺品整理を完了させる必要があります。
デジタル遺品においては、故人がインターネットで株式やFX取引をしていた場合、時間の経過とともに資産が負債に変わるリスクもあります。
タイミング(3)家族の心の準備が整う時期
グリーフケアの観点から、遺族一人ひとりの心の状態を最優先に考え、無理をせず精神的に安定したタイミングで遺品整理を開始することが重要です。
グリーフケア研究によると、大切な人を亡くした方は「ショック期」「喪失期」「閉じこもり期」「再生期」という4つの悲嘆プロセスを経ることが知られており、このプロセスは個人差が大きく、数か月から数年かかる場合もあります。
故人との思い出が詰まった品物を手にすると悲しみがぶり返してしまう恐れもあるため、心が整ってから遺品整理を始めることで、より建設的な作業が可能になります。
遺品整理業者の中には、グリーフケアアドバイザーの資格を持つスタッフが在籍し、遺族の心理状態に配慮したサービスを提供するところも増えています。
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亡くなった人の物を処分する手順


この章では、遺品整理を効率的かつ適切に進めるための具体的な手順について紹介します。
処分手順には主に以下の内容があります。
- 相続人の確認と家族会議の開催による方針決定
- 重要書類と貴重品の仕分けによる財産把握
- 処分品と保管品の分類作業による整理効率化
- 適切な処分方法の選択と実行による完了まで
手順(1)相続人の確認と家族会議の開催
遺品整理を開始する前に、法定相続人全員を確認し、家族会議を開催して遺品整理の方針と役割分担を決定することが、後のトラブルを防ぐために最も重要です。
故人の遺品は相続人の相続財産になるため、遺品整理も相続人が行うのが法的に適切であり、勝手に遺品を整理してしまったがゆえに家族間でトラブルに発展する事例は少なくありません。
法定相続人とは、民法で定められた相続権を持つ人のことで、故人の配偶者や子、親、兄弟姉妹などが該当します。
親族が集まる四十九日法要後などの機会を利用して家族会議を開催し、誰がどの作業を担当するか、費用負担をどうするか、処分方法についてどう決めるかを明確にし、相続人全員の合意を委任状などの形で受け取っておくことで安心して作業を進められます。
手順(2)重要書類と貴重品の仕分け
相続手続きや各種解約手続きに必要な重要書類と、相続財産となる貴重品を最優先で仕分けし、相続財産の全容を把握することが適切な相続手続きの基盤となります。
遺品整理を行うことで相続財産の全容を把握できるため、適切な相続手続きや相続税の計算に必要不可欠です。
法的に重要なものとして、遺言書・エンディングノート・各種契約書・権利書・通帳・印鑑・身分証明書・年金手帳・保険証券があり、相続に関わるものとして、現金・有価証券・貴金属・美術品・借用書・債務関係書類も重要です。
デジタル遺品では、スマートフォンやパソコンの中にある金融機関の取引データや暗号資産の情報も確認が必要で、相続放棄の期限は亡くなったことを知った日から3か月以内と法定されているため、早期の財産把握が重要です。
手順(3)処分品と保管品の分類作業
遺品を「残すもの」「処分するもの」「保留するもの」の3分類で効率的に仕分けし、形見分けと処分対象を明確に分けることで、感情的な負担を軽減しながら作業を進められます。
すべての遺品をいきなり処分か保管かで判断するのは心理的負担が大きいため、一度「保留」という選択肢を設けることで作業を進めやすくします。
残すもの
- 故人が愛用していた装飾品や趣味の品
- 家族との思い出が詰まった写真や手紙
- 価値のある美術品や骨董品
処分するもの
- 衣類(状態の悪いもの)
- 使用期限切れの食品や薬品
- 明らかに不要な日用品
処分品についても、買取可能品、一般ゴミ、粗大ゴミ、特殊処分品(家電リサイクル法対象品など)に分類し、親族全員で分類作業を行うことが効果的です。
手順(4)適切な処分方法の選択と実行
故人への敬意を保ちながら、環境にも配慮した適切な処分方法を選択し、供養サービスやリサイクル、寄付なども活用して、罪悪感のない処分を実行することが重要です。



遺品を単純に廃棄するのではなく、供養・リサイクル・寄付などの方法を活用することで、故人への敬意を示しながら社会貢献にもつながります。
- 供養処分
遺品整理業者のお焚き上げサービス
寺院・神社での合同供養 - リサイクル・買取
貴金属・骨董品・ブランド品の専門買取業者
家電・家具のリサイクルショップ
古本・CD・DVDの買取サービス - 寄付
状態の良い衣類や日用品の福祉施設への寄付
図書館への本の寄贈 - 遺品整理業者の一括サービス
仕分けから処分まで専門的なサポートを受けられる
遺族の負担を大幅に軽減
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絶対に処分してはいけない物一覧


この章では、遺品整理において絶対に処分してはいけない重要な物品について紹介します。
保管必須の物品には主に以下の内容があります。
- 遺言書やエンディングノートなどの故人の最終意思を示す書類
- 通帳・現金・有価証券類などの相続財産に関わる金融資産
- 身分証明書と印鑑類などの各種手続きに必要な本人確認書類
- 土地権利書と契約書類などの財産権を証明する重要書類
- 会社からの貸与品やリース品などの返却義務がある物品
保管必須(1)遺言書やエンディングノート
遺言書やエンディングノートは故人の最終意思を示す最重要書類であり、相続手続きの根幹となるため、発見次第速やかに家庭裁判所での検認手続きを行い、適切に保管する必要があります。
遺言書は法的効力を持つ故人の最終意思表示であり、相続財産の分配方法や相続人の指定など、相続手続き全体に大きな影響を与えます。
自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認が必要で、この手続きを怠ると相続手続きが進められません。
遺言書は机の引き出し、仏壇、金庫、銀行の貸金庫などに保管されていることが多く、封印されている場合は開封せずに家庭裁判所に持参する必要があります。



エンディングノートには故人の希望や重要な情報が記載されており、葬儀や供養の方法、デジタル遺品のパスワード情報なども含まれている可能性があるため、相続人全員に報告し、専門家に相談することが重要です。
保管必須(2)通帳・現金・有価証券類
通帳・現金・有価証券類は相続財産の中核を成す金融資産であり、相続税の計算や遺産分割協議の基礎となるため、発見次第厳重に保管し、正確な財産目録を作成する必要があります。
これらの金融資産は相続財産として法的に重要な意味を持ち、相続税申告(死亡から10か月以内)や遺産分割協議に直接影響します。
2024年4月から相続登記が義務化されたことにより、財産の正確な把握がより重要になっています。
現金については自宅の金庫、タンス、仏壇などに保管されている場合があり、発見した場合は金額を正確に記録し、相続人立会いのもとで管理します。
通帳については、都市銀行、地方銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行など複数の金融機関に口座を持っている可能性があるため、全ての通帳を収集し、デジタル化が進む現代ではネット銀行の口座やネット証券の取引も見落とさないよう注意が必要です。
保管必須(3)身分証明書と印鑑類
身分証明書と印鑑類は各種相続手続きや解約手続きにおいて本人確認や意思確認の証拠として必要不可欠であり、手続き完了まで安全に保管する必要があります。
- 故人の身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
金融機関での口座解約や保険金請求などの際に本人確認書類として求められることがあります。 - 印鑑
銀行印、実印、認印それぞれが異なる用途で使用され、特に実印は不動産の相続登記や重要な契約で必要となります。 - 運転免許証
公安委員会への返納手続きが必要で、マイナンバーカードは市区町村への返還が求められます。 - 銀行印
各金融機関での口座解約時に必要で、実印は印鑑登録証明書と併せて不動産相続登記や遺産分割協議書への押印で使用されるため、相続手続きの進行状況に応じて段階的に使用・返却するスケジュール管理が重要です。
保管必須(4)土地権利書と契約書類
土地権利書と各種契約書類は故人の財産権や債務関係を証明する法的根拠となる重要書類であり、相続登記や債務整理において必要不可欠なため、専門家と連携して適切に保管・活用する必要があります。
土地権利書(登記済証や登記識別情報)は不動産の所有権を証明する重要書類で、2024年4月から義務化された相続登記手続きにおいて必要となります。
各種契約書類(賃貸借契約、ローン契約、保険契約など)は故人の権利義務関係を明確にし、相続人が引き継ぐべき権利や負担すべき債務を正確に把握するために不可欠です。
- 不動産関係
土地・建物の権利書
固定資産税納税通知書
住宅ローンの契約書 - 金融関係
銀行やクレジットカード会社との契約書
消費者金融からの借入契約書
保証人契約書 - 専門家連携
司法書士・行政書士と整理・分析
保管必須(5)会社からの貸与品やリース品
会社からの貸与品やリース品は所有権が故人にない物品であり、返却義務があるため、速やかに貸与元・リース会社に連絡を取り、適切な返却手続きを行う必要があります。
これらの物品は故人の所有物ではないため、相続財産には含まれず、遺族が勝手に処分することはできません。
返却を怠ると、損害賠償請求や契約違反による法的問題に発展する可能性があります。
- 会社からの貸与品
ノートパソコン、携帯電話、制服、工具、車両、IDカード、セキュリティカード - リース品
事務機器(コピー機、プリンターなど)、車両、建設機械、医療機器 - レンタル品(医療・介護機器)
介護用ベッド、車椅子、酸素濃縮器
これらは契約書や貸与証明書で確認でき、返却時には破損状況や付属品の有無もチェックされるため、故人の勤務先や取引先に速やかに連絡を取り、返却スケジュールを調整することが重要です。
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遺品整理を効率的に進める方法


この章では、遺品整理を効率的かつ負担を軽減しながら進めるための具体的な方法について紹介します。
効率的な進め方には主に以下の内容があります。
- 自分で行う場合の準備と注意点による自力対応の最適化
- 遺品整理業者の選び方と費用相場による専門業者活用
- 部分的な業者活用のコツによるコスト削減と効率化
- 家族で協力する分担方法による負担軽減と関係維持
方法(1)自分で行う場合の準備と注意点
自分で遺品整理を行う場合は、時間に余裕があり複数人で協力できる環境を整え、適切な準備と計画的な進行により、費用を抑えながらグリーフケア効果も得られる遺品整理が可能です。
自分で遺品整理を進めることで、遺品から故人との思い出を追想でき、次第に温かな気持ちで故人の冥福を祈ることができます。
ただし、想定以上に時間がかかるケースが少なくなく、故人が生前整理をしていない場合、3名以上で1日〜3日は見積もって進める必要があります。
準備として、分別しやすいようダンボールにマジックペンで「不用品」など用途を書いて分ける道具、埃対策や安全のための作業服、軍手、マスクなどが必要です。
3LDKほどの小さな家でも、ごみ袋200個分以上の廃棄物が出るのが普通で、家電リサイクル法に従った処理も必要となるため、事前の準備が重要です。
方法(2)遺品整理業者の選び方と費用相場
信頼できる遺品整理業者を選ぶことで、専門知識と効率性を活用して短時間で適切な遺品整理を完了でき、グリーフケアにも配慮したサービスを受けることが可能です。
遺品整理業者に依頼すると、運び出しから全て任せられる上に、ほとんどの作業は1日で終わります。
遺品整理士は資格習得の際にグリーフケアも学ぶため、遺族の心に寄り添ったプランの提案や作業が期待できます。
信頼できる業者の選定基準として、遺品整理士の資格保有、許可証の確認(古物商許可等)、見積もりの透明性、供養サービスの有無があります。
費用相場は部屋の広さ別に設定されており、1K・1Rの整理で40,000円〜(2024年10月時点)が参考料金で、整理作業や積込作業、収集運搬、処分、養生作業など必要な作業料はすべて含まれています。
複数の業者から見積もりを取り、資格保有状況やサービス内容を比較検討することが重要です。
方法(3)部分的な業者活用のコツ
部分的な業者活用により、コストを抑えながら効率性も確保し、遺族の負担を適度に軽減する最適なバランスの遺品整理が実現できます。
全てを業者に依頼するよりも費用を安く抑えることができ、自分だけで片付けられる細かいモノは自分で片付け、運び出せないモノだけ業者に任せることで効率的です。
部分活用の方法として、仕分け作業は遺族が行い、搬出・運搬・処分のみを業者に依頼する方法、細かい日用品や衣類は自分で処分し、大型家具・家電のみ業者に依頼する方法、供養が必要な品物のみを業者の供養サービスで処分し、その他は自分で処分する方法があります。



費用面では、ワンルームで全て業者に依頼する場合の半額程度に抑えることも可能で、遺品整理業者に予算の相談をすることで、限られた予算内で最適なサービス組み合わせを提案してもらえます。
方法(4)家族で協力する分担方法
家族全員で役割分担を明確にし、協力体制を構築することで、作業効率を向上させながら家族の絆を深め、故人への敬意を共有した遺品整理を実現できます。
遺品整理を一人で抱え込むことで、精神的な負担が増し、深い悲しい感情に押しつぶされることもあるため、家族や友人と相談しながら進めることが重要です。
効果的な分担方法として、重要書類・貴重品の仕分けは相続人代表が担当、衣類や日用品の分類は配偶者や子が担当、大型家具の運搬は男性陣が担当、写真や思い出の品の整理は全員で担当するなどがあります。
親族が集まる四十九日法要後などの機会では、故人の写真を見ながら思い出話をしつつ、それぞれが大切にしたい品物を選ぶことで、悲しみを分かち合いながら心の整理を進めることができ、事前の家族会議で作業分担、スケジュール、費用負担を明確にすることが効果的です。
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まとめ


亡くなった人の物は処分した方がよいというのが、専門家の見解と現実的な判断です。
罪悪感を感じるのは自然な感情ですが、故人が最も望んでいるのは遺族の幸せと前向きな生活です。
遺品処分は心の整理、相続トラブル防止、防犯・防災リスク回避、家族関係維持の観点から必要不可欠です。
罪悪感は供養やお焚き上げ、形見分け、写真データ化などの方法で解消できます。
四十九日前後を目安に、相続手続きや家族の心の準備を考慮して開始し、相続人確認から重要書類の仕分け、分類作業、適切な処分まで段階的に進めましょう。



絶対に処分してはいけない重要書類や貸与品は確実に保管し、自力・業者・部分活用・家族協力から最適な方法を選択することで、故人への敬意を保ちながら効率的な遺品整理が実現できます。







